訪日外国人の数が回復し、箱根・熱海エリアでも海外ゲストの予約が増えてきました。Airbnbの予約管理を見ると、ゲストの半数以上がインバウンドという物件も珍しくありません。
しかし、外国人ゲストの増加に伴い、「以前は星5だったのに、最近レビューが下がってきた」という相談が増えています。私たちインビックスが箱根の民泊清掃や熱海の民泊清掃でサポートしている物件のレビューを分析すると、インバウンドゲストがリネンの品質を非常に重視していることが見えてきました。
インバウンドゲストのレビューに多い「リネン関連の指摘」
海外からのゲストのレビューを見ていると、日本人ゲストにはあまり見られない特有の指摘パターンがあります。
欧米系ゲストに多い指摘
欧米系のゲストは、寝具の「触感」と「見た目の清潔さ」に対する感度が非常に高い傾向にあります。「シーツがパリッとしていて快適だった(Crisp and clean sheets)」という好意的なレビューがある一方、「タオルが薄くてゴワゴワしていた」「シーツに前のゲストの毛髪が残っていた」というネガティブなコメントも目立ちます。
ヨーロッパのホテルでは、アイロンがけされたピシッとしたシーツが当たり前の基準になっていることが背景にあります。この期待値のまま民泊に宿泊するため、リネンの仕上がりに対するハードルが自然と高くなるのです。
アジア系ゲストに多い指摘
中国・韓国・台湾などアジア系のゲストは、タオルの枚数と匂いに言及するケースが多いです。「タオルが足りなかった」「バスタオルが生乾きの匂いがした」といったコメントが散見されます。特にグループ旅行で利用するゲストは、人数分×2セット程度のタオルを期待していることが多く、標準的なセット数では不足感を与えてしまいます。
箱根の温泉付き一棟貸し物件で、4人組の台湾からのゲストに「タオルが全然足りなかった、温泉に3回入ったので12枚使いたかった」というレビューをいただいたことがあります。バスタオルは4枚用意していましたが、温泉を楽しむゲストにとっては明らかに足りていませんでした。この経験から、温泉物件では通常の2倍のタオルを用意する運用に変更しています。
インバウンド対応で見直すべきリネンの3つのポイント
①タオルの枚数設定を見直す
国内ゲスト向けの枚数設定のままでは、海外ゲストには足りないケースが多いです。目安として、1人あたりバスタオル2枚、フェイスタオル2枚、ハンドタオル1枚を基本セットとし、温泉付き物件の場合はバスタオルを1人あたり3枚に増やすことをおすすめします。
タオルの枚数を増やすとコストが心配になりますが、箱根のリネンレンタルであれば必要な枚数をフレキシブルに調整でき、繁忙期だけ増量するといった対応も可能です。自前購入で大量のタオルを抱える必要がなくなります。
②シーツの仕上がり品質を上げる
欧米ゲストの期待に応えるには、シーツのシワを最小限にし、きちんとベッドメイキングされた状態で提供することが重要です。家庭用の洗濯・乾燥ではシワが残りやすいため、業務用クリーニングのプレス仕上げが効果的です。
リネンレンタルの業務用クリーニングでは、大型のアイロンプレス機で仕上げるため、ホテルのような「パリッとした」シーツが実現できます。これは家庭でアイロンがけをするよりも圧倒的に効率的で、品質も安定します。
③匂いへの配慮
リネンの匂いは、ゲストの快適さに大きく影響します。柔軟剤の香りが強すぎると「ケミカルな匂い」として不快に感じるゲストもいますし、逆に生乾き臭は論外です。理想は「無臭または微かに清潔感のある匂い」。業務用クリーニングでは高温洗浄で雑菌を殺菌するため、生乾き臭が発生しません。
言語の壁がリネントラブルを悪化させる
インバウンドゲストのリネンに関する不満は、言語の壁によって解決が遅れることがあります。滞在中に「タオルを追加してほしい」と思っても、ホストに日本語で連絡できないためにそのまま我慢し、チェックアウト後のレビューで初めて不満が表面化するケースが少なくありません。
このリスクを減らすには、「最初から十分すぎる量のリネンを用意しておく」ことが最もシンプルで確実な対策です。追加のリクエスト自体が発生しない状況をつくることが、インバウンド対応の基本になります。
「おもてなし」としてのリネン品質が高評価を生む
ネガティブレビューを防ぐだけでなく、リネンの品質を積極的に「おもてなし」の一部として位置づけることで、ポジティブなレビューを増やすことができます。
たとえば、上質なバスローブやパジャマをオプションで用意している物件では、「ホテル以上のサービスだった」「リネンが素晴らしかった」という5つ星レビューが集まりやすい傾向にあります。小田原のリネンレンタルではバスローブや作務衣などの特殊リネンにも対応しているため、物件のコンセプトに合わせたリネン構成が可能です。
箱根の高級一棟貸し物件で、レンタルの作務衣を導入したところ、海外ゲストから「日本らしい体験ができた」「作務衣で温泉を楽しめて最高だった」というレビューが複数投稿されました。リネンは「清潔であること」が最低条件であり、そこに一歩踏み込んだ品質を加えることで、差別化と高評価を同時に実現できます。
まとめ|インバウンド対応は「リネンの量と質」の見直しから
欧米ゲストはシーツの仕上がり品質、アジアゲストはタオル枚数と匂いを重視する傾向があります。温泉付き物件ではタオルを通常の2倍以上用意するのが安全であり、言語の壁があるからこそ最初から十分な量を用意して不満を予防することが大切です。リネンレンタルを活用すれば、枚数の柔軟調整と業務用仕上げ品質を同時に実現できます。
よくある質問
インバウンドゲストはリネンのどこを重視しますか?
欧米系ゲストはシーツの「パリッとした仕上がり」や見た目の清潔さを重視し、アジア系ゲストはタオルの枚数と匂いに敏感な傾向があります。文化的な背景や普段の宿泊基準が異なるため、国内ゲスト向けの設定では不満が出やすくなります。
温泉付き民泊ではタオルを何枚用意すべきですか?
温泉付き物件では、通常の2倍以上のタオルを用意するのが安全です。1人あたりバスタオル3枚、フェイスタオル2枚、ハンドタオル1枚を目安にすると、温泉を何度も楽しむゲストにも対応できます。
外国人ゲストのリネンに関するクレームを防ぐにはどうすればいいですか?
言語の壁があるため、滞在中にリクエストできず、チェックアウト後のレビューで不満が表面化するケースが多いです。最初から十分すぎる量のリネンを用意し、業務用クリーニングのプレス仕上げでシーツの品質を上げることが、最もシンプルで確実な予防策です。
リネンレンタルはインバウンド対応にどう役立ちますか?
リネンレンタルを活用すれば、繁忙期だけタオル枚数を増やすなど柔軟な調整が可能で、業務用クリーニングによるホテル品質のプレス仕上げも実現できます。自前購入で大量のタオルを抱える必要がなくなり、コストと品質の両立が図れます。
参考文献
この記事は、箱根・熱海・小田原・伊東エリアで民泊物件のリネン管理を数多く手がけてきた経験に基づいて作成されています。個別物件により最適な対応は異なる場合があります。必要に応じて専門家へご相談ください。
この記事の監修者
黒須 大株式会社インビックス 代表取締役
高級旅館および複数の宿泊施設での現場経験を基盤に、宿泊運営の構造を実務レベルで理解。
その後、ハウスクリーニング事業を立ち上げ、サービス設計・品質管理・オペレーション構築を主導してきました。
現在は宿泊施設専門の民泊関連サービスに注力し、単なる清掃支援にとどまらず、事業設計・運営改善・体制構築までを包括的にサポート。現場と経営の両視点から、持続可能な宿泊事業の成長を支援しています。

