民泊の同日入れ替え清掃|チェックアウトからチェックインまでに品質を保つ方法

民泊の同日入れ替え清掃|チェックアウトからチェックインまでに品質を保つ方法

チェックアウト10時、チェックイン15時。この5時間が、民泊運営で最もプレッシャーのかかる時間帯です。

私たちは箱根の民泊清掃をはじめ、神奈川・静岡エリアで年間6,500件以上の同日入れ替え清掃を行っています。その経験から断言できるのは、同日入れ替え清掃の成否は「当日の頑張り」ではなく「事前の仕組みづくり」で決まるということです。

急いで雑に仕上げれば、レビューで「清掃が行き届いていない」と書かれます。丁寧にやりすぎれば、チェックインに間に合いません。この記事では、限られた時間の中で品質を維持しながら確実に仕上げるプロの手順と仕組みを解説します。

同日入れ替え清掃が失敗する3つの原因

原因① チェックアウト遅延を想定していない

チェックアウト時刻を10時に設定していても、実際には10時15分〜30分にずれ込むことが珍しくありません。ゲストが荷造りに手間取る、最後にシャワーを浴びる、鍵の返却場所がわからない。こうした遅延を想定せずにスケジュールを組むと、清掃開始が遅れ、すべてが後手に回ります。

熱海の民泊清掃では、夏の繁忙期にチェックアウト遅延が特に多発します。ビーチで遊んだ後の着替えや荷物整理に時間がかかるためです。

原因② 清掃の手順が標準化されていない

「どこから手をつけるか」を毎回考えながら清掃していると、時間のロスが積み重なります。特にセルフ清掃のオーナー様に多いのが、浴室を洗いながらキッチンの片付けに戻り、またリビングに移動するという「行ったり来たり」のパターン。この無駄な動線が、清掃時間を大幅に膨らませます。

原因③ リネンと備品の準備が当日任せ

清掃当日にリネンの配送を待つ、足りない備品を買いに走る。こうした「当日の調達」が清掃時間を圧迫します。同日入れ替えでは、清掃以外のタスクをいかに事前に済ませておくかが勝負の分かれ目です。

INBICSの現場から

箱根で2物件を自己清掃していたオーナー様の体験です。GWに2物件とも同日入れ替えが重なった日、1物件目のチェックアウトが30分遅延。急いで清掃を開始しましたが、タオルの替えが足りないことに気づいて近くのホームセンターに走り、戻ってから清掃を再開。1物件目の清掃完了が13時、2物件目の清掃に取りかかったのが13時30分。チェックイン15時に対してバッファなしの状態になり、2物件目は浴室の排水口と窓のサッシが手つかずのまま引き渡すことに。その夜、「浴室の排水口に前の人の髪の毛が残っていた」というメッセージが届きました。

プロの同日入れ替え清掃|60分で仕上げるタイムラインと手順

私たちが実践している、1K〜1LDK物件(30〜40㎡)の同日入れ替え清掃のタイムラインです。

0〜5分(入室・全体確認・換気開始):全窓開放→忘れ物チェック→ゴミ回収→使用済みリネン回収→破損・汚損の目視確認を行います。

5〜10分(浴室に洗剤散布):浴槽・壁・床にカビ取り剤または浴室用洗剤を散布して放置します。洗剤の浸透時間を稼ぐのがポイントです。

10〜20分(キッチン清掃):シンク→コンロ→作業台→電子レンジ内部→冷蔵庫内チェック→ゴミ箱洗浄の順に進めます。

20〜30分(浴室・洗面・トイレ清掃):放置した洗剤を流しながら浴槽・壁・床をブラッシング→排水口の髪の毛除去→鏡磨き→洗面台→トイレ(便器→床→壁)の順に仕上げます。

30〜40分(居室・ベッドメイキング):新しいリネンでベッドメイキング→家具の拭き上げ→床の掃除機がけを行います。

40〜50分(床の仕上げ・玄関):全室フローリングのウェットモップ→玄関の掃き掃除+拭き掃除→靴箱チェックを行います。

50〜55分(備品補充・最終チェック):アメニティ・消耗品の補充→備品の配置確認→全室の最終目視チェックを行います。

55〜60分(写真撮影・窓閉め・退室):各部屋の写真撮影→全窓閉め→エアコン設定→施錠→オーナーへ報告送信で完了です。

この手順のポイント

最大のポイントは、浴室に洗剤を散布した後、すぐにこすらずキッチンに移動すること。洗剤が汚れに浸透する5〜10分を「キッチン清掃の時間」として活用します。この「洗剤の浸透待ち」を作業時間に組み込むことで、浴室清掃の労力が大幅に軽減されます。

もうひとつは、動線を「水回り→居室→玄関」の一方向に設計していること。行ったり来たりの無駄をなくし、奥から手前に向かって清掃を進めることで、仕上がった場所を再び汚すリスクもなくなります。

当日の清掃時間を確保するための事前準備

準備① リネンは前日までに物件に配送しておく

同日入れ替え清掃の最大の時間短縮策は、民泊向けリネンレンタルの事前配送です。清掃当日にリネンの到着を待つ必要がなく、スタッフは到着後すぐにリネン交換に取りかかれます。

前日までに物件の玄関先やオーナー指定の場所にリネンセットを配送しておくことで、当日の清掃時間から「リネン待ち」の不確実要素を完全に排除できます。

準備② 備品の在庫チェックを前回清掃時に完了させる

「トイレットペーパーが残り1ロール」「シャンプーの残量が少ない」。こうした情報は前回の清掃時にチェックし、次回清掃までに補充を手配しておきます。同日入れ替え当日に「足りない」と気づいても、買い出しに行く時間はありません。

準備③ 物件ごとの「清掃マニュアル」を作成しておく

物件の間取り、備品の配置場所、オーナー様の特記事項、過去にレビューで指摘された箇所。これらを1枚にまとめた物件別の清掃マニュアルがあれば、どのスタッフが担当しても同じ品質で仕上げられます。同日入れ替えで人員をやりくりする際にも、マニュアルがあれば安心です。

準備④ エアコン・設備の状態を定期的にメンテナンスしておく

同日入れ替え当日にエアコンの異臭や設備の故障が発覚しても対処する時間はありません。民泊のエアコンクリーニングや水回りの設備点検は、定期的に実施して「当日のサプライズ」を防ぎます。伊東の民泊清掃では温泉成分による配管の劣化が早いため、水回りの点検頻度を高めに設定しています。

複数物件が同日入れ替えのとき|スケジュール設計の実践例

繁忙期は複数物件が同日に入れ替わることが頻発します。1人で順番に回るのではなく、チーム体制で並行処理するのがプロのやり方です。

2物件同時入れ替えの場合(スタッフ2名体制)

10:15:スタッフAが物件①、スタッフBが物件②でそれぞれ清掃を開始します。

11:15:両物件の清掃が完了し、それぞれ写真報告を送信します。

11:30:両物件とも退室完了。この時点でチェックインまで3時間30分のバッファがあります。

15:00:両物件チェックイン。万が一のトラブルにも余裕をもって対応できます。

ポイントは「並行処理」と「バッファの確保」です。1人で2物件を順番に回ると、2物件目の完了が14時30分になり、バッファがほぼゼロに。2名体制の並行処理であれば11時30分に両方完了し、3時間以上のバッファを確保できます。

小田原の民泊清掃でも、エリア内で複数物件を担当するオーナー様には並行処理体制を推奨しています。特に連休の同日入れ替えが集中する時期は、事前のスタッフ配置が成否を分けます。

チェックアウトが遅延したときのリカバリー術

どれだけ事前準備を整えても、チェックアウト遅延は完全には防げません。重要なのは、遅延が発生した時のリカバリー手順を事前に決めておくことです。

15分以内の遅延 → 清掃手順の「短縮版」で対応

通常60分の清掃手順を45分で完了させる「短縮版マニュアル」をあらかじめ用意しておきます。短縮するのは「丁寧さ」ではなく「工程の優先順位」です。窓のサッシ拭きや家具裏のホコリ取りなど、ゲストの満足度に影響しにくい工程を後回しにし、水回り・ベッドメイキング・床の仕上げを優先します。

30分以上の遅延 → 2名体制に切り替え

清掃業者に依頼している場合は、30分以上の遅延が発生した時点で増員を手配します。1人で急いで仕上げるより、2人で通常品質を維持する方が結果的にレビューへの影響が少なくなります。

チェックアウト遅延を減らす工夫

前日夜にゲストへリマインドメッセージを送る(チェックアウト時刻・鍵の返却方法・ゴミの処理方法)。これだけで遅延率は大幅に下がります。また、リネンレンタルを利用している場合は「使用済みタオル・シーツは指定の袋に入れてください」と案内しておくことで、清掃スタッフの回収作業も短縮できます。

INBICSの現場から

熱海で3物件を運営するオーナー様のケースです。以前は自己清掃で、同日入れ替えのたびに「今日は間に合うか」という不安と戦っていました。インビックスに切り替え後、リネン事前配送+物件別マニュアル+2名並行処理体制を導入。繁忙期の3物件同日入れ替えでも、全物件12時30分までに清掃完了。「チェックイン2時間半前に全完了の報告が写真付きで届く安心感は、自分で清掃していた頃には想像できなかった」とのことです。

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まとめ

同日入れ替え清掃の成否は、当日の頑張りではなく事前の仕組みづくりで決まります。リネンの事前配送・備品の在庫管理・物件別マニュアルで当日の不確実要素を排除し、清掃手順は「洗剤浸透待ち活用」と「一方向動線」で効率化する。チェックアウト遅延は発生する前提でスケジュールを組み、複数物件は並行処理で対応する。

チェックイン30分前完了を逆算基準にし、バッファを確保することが品質維持の鍵です。「同日入れ替えがいつも綱渡り」「繁忙期の複数物件対応が限界」というオーナー様は、仕組みで解決できます。

私たちインビックスは、箱根・熱海・伊東・小田原エリアで、完全自社スタッフの並行処理体制による同日入れ替え清掃を提供しています。リネンレンタルの事前配送とエアコンクリーニングの定期管理も含め、清掃以外の不安もゼロにします。物件の状況に合わせた清掃体制をご提案いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。

参考文献

  1. 観光庁「民泊制度ポータルサイト」
  2. 厚生労働省「建築物環境衛生管理基準について」
  3. 文部科学省「カビ対策マニュアル」
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